公的年金民営化論

はじめて国民年金(公的年金)民営化を唱えたときは、ただの愚か者のたわ言でした。

国民年金保険料の納付率が低下したときは、反道徳的主張と見なされました。

それからようやく、「サラリーマンに厚生年金から脱退する権利を与えよ」という真っ当な主張が(一部で)受け入れられるようになりました。

ちなみに私自身は、国民の義務として、国民年金保険料を毎年納めています。ただし、GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)のポートフォリオを見るかぎり、ETFなどを利用して個人でもほぼ同じものを簡単に構築できるので、これまで支払った保険料(+運用益)を返金してもらいたいとは思います。

公務員は障害者に席を譲れ

住民票が必要になって、自宅近くにある区役所の出張所を訪ねた。窓口の担当は、右腕のない青年だった。私が身分証明書類を持ち合わせていなかったため、彼は住民票をめぐるトラブル(1)を簡潔に説明し、本人確認のために個人情報を尋ねる非礼を詫び、手際よく事務を処理してくれた。 続きを読む →

リバタリアニズム(自由原理主義)について

出版社の許諾を得て、リバタリアニズムについて書いた原稿を順次、公開していきます。

リバタリニズムLibertarianismは自由Libertyを語源としていることからもわかるように、自由主義のことですが、リベラリズムLiberalismとは「自由」についての考え方が異なります。よく「市場原理主義」と混同されますが、これは誤解で、「自由原理主義」あるいは「もうひとつの自由主義」とでもいうべきでしょう。

リバタリアンは、国家は個人(国民)の自由を制限しており、自由を最大化するためには国家の機能を市場に代替させるべきだ、と主張します。国家を縮小し、最後には国家のない世界を夢想するという意味では無政府主義(アナキズム)の一種でもあります。

それに対してリベラリズムは、国民の幸福を最大化するために国家の介入――累進課税と福祉(公共事業)――を積極的に認めますから、これは国家主義Statismの一種ということになります。

ここでは、日本の社会問題をリバタリアニズムの視点から読み解いてみました。

最初に掲載する「公務員は障害者に席を譲れ」は、いわれなき差別に苦しむ多くのひとびとを救済し、国民の幸福と日本国の厚生を確実に向上させ、国会の議決ですぐに実行できるきわめて有効かつ現実的な改革案だと考えますが、2004年9月刊行の『雨の降る日曜は幸福について考えよう』(幻冬舎)に発表して以来、現在に至るまで一顧だにされません。

それが今回、オープンソースにて広く世に問うことにした理由です。