Q サラリーマンでも無税生活ができるという話を聞いたことがありますが、本当ですか?
サラリーマンは制度上、不公平な税・社会保障費から逃れられないという話を書いた後で、「無税生活」論があることを思い出しました。これは、只野範男(タダノリ)氏が『「無税」入門』(飛鳥新社)で提唱した、サラリーマンのための租税回避スキームです。
ちなみに『「無税」入門』の惹句には、「橘玲、野口悠紀雄、森永卓郎各氏の「節税術」をメッタ斬り。」とあり、私も、高名なお二人とともに名前を挙げていただく栄誉に浴しています。
只野氏はこの本で、私や野口氏が提案するサラリーマン法人化が難しすぎてなんの役に立たないと批判しています。節税スキーム自体の有効性はともかくとして、それがまったく普及していないのは事実ですから、氏の批判に根拠があることは認めざるを得ません(「自由」は、望んでもいないあなたのところにやってくる)。
それに対して只野氏は、給与所得を事業所得の損失で相殺すればもっと簡単に所得税をゼロにできるし、実際、この方法で37年間、無税でサラリーマン生活を送ってきたと述べます。本当に、こんなことが可能なのでしょうか?