第16回 住宅ローンは本能の産物

債券を買うと、半年に1回、利子が支払われる。アパートを誰かに貸すと、毎月、賃料を受け取れる。キャッシュフロー(お金の流れ)は同じなのだから、不動産は金融商品の一種だ。

株式の信用取引では、証券会社からお金を借りて、証拠金の約3倍の株が買える。マイホームの購入では、不動産を担保に頭金の5倍くらいの住宅ローンを組むのがふつうだ。バランスシートで考えれば、住宅ローンと株式の信用取引は同じものだ。

これは1+1=2みたいな単純な話だと思うのだけど、最初に書いたときはものすごい反発を受けた。「神聖なマイホームを信用取引なんかといっしょにするな」ということらしい。 続きを読む →

リバタリアニズム雑感(2)

これもずいぶん前の話なのだけれど、ある新聞社から寄稿を求められて、ゲーリー・ベッカー(1992年ノーベル経済学賞受賞)の麻薬合法化論を紹介したところ、”不適切”として書き直しを求められた。ベッカー教授の麻薬合法化論は、ニューヨーク・タイムズやウォールストリート・ジャーナルにも堂々と掲載されているのに。 続きを読む →