黄金の羽根と残酷な世界

本を読まれた方はお気づきと思いますが、『残酷な世界で生き延びるたったひとつの方法』「はじめに」は、『お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方』のエピローグ「新宿中央公園のホームレス」とつながっています。これは意図的にそうしたわけではなく、自分でもわからない理由によってなぜかそうなってしまいました。たぶん、同じことを考えつづけ、同じ場所をぐるぐると回っているからでしょう。

「自己啓発」はいつも私たちを魅了し、裏切ります。『残酷な世界~』は、脳科学や行動遺伝学、進化心理学の最新の成果を使うことで、自己啓発の謎を解明できるのではないか、という発想から生まれました。

このアイデアは、『亜玖夢博士のマインドサイエンス入門』を書いているときに、突然、思いつきました。読み比べていただくと、どの話がどこにつながっているのかわかると思います(と、ついでに小説の宣伝もしてしまいました)。

『残酷な世界で生き延びるたったひとつの方法』が発売されました

最新刊『残酷な世界で生き延びるたったひとつの方法』が幻冬舎より発売されました。

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東京都内の書店には昨日から並び始めました。地方の書店でも、今日か明日には入手可能になるはずです。

ぜひいちど手にとってみてください。

こちらで、目次や「はじめに」がご覧いただけます。

新宿中央公園のホームレス

「パークハイアット東京」に寄った帰りに、ときどき新宿中央公園を訪ねることがあります。

アメリカのレストランガイド『ザガットZagat』がこのホテルを高く評価したことから、最近は会食の場所に指定されることが多くなりました。少なくともアメリカ人の間では、東京で最高のホテルだと信じられています。

私は美食家でもなく、高級ホテルに興味があるわけでもないので、自ら出かけることはありません。それでも、このホテルのレストランには少し詳しくなりました。

パークハイアットといえば、最上階のメインダイニング「ニューヨークグリル」からの夜景が有名ですが、ラウンジ「ジランドール」のブレックファースト・ブッフェや、和食レストラン「梢」でのディナーも人気の的です。「梢」は、最低でも1人2万円は必要な高級会席の店ですが、いつ行っても満席で、予約なしでは入れません。最近では、出勤前のホステスとの同伴や不倫の逢瀬よりも、若いカップルの姿が目立つようになりました。髪の毛を金色に染めた若者たちが、1泊5万円を下らない部屋に宿泊し、ラフな格好で気軽に食事をしています。350万人の失業者も、年間3万人を越える自殺者も、10年に及ぶ長く重苦しい不況も、まるでよその国の話のようです。 続きを読む →