理不尽なことにどう対処すべきでしょうか?

▼S・Gさん

当方は大手電機メーカに勤めています。
労働組合について疑問をもっており、宜しければご回答願います。

大手電機メーカの社員は、会社側の定義では月報者と非月報者に分けられています。月報者が経営側の人で、非月報者から組合が成立しています。

組合は企業と労働交渉するほかに、イベント(ぶどう狩り、ワインセミナー・・・等)を行っております。労働交渉はして欲しいが、イベントは不要と思う人など色々なニーズがあると思います。

そこで次の疑問があります。

  1. 組合を脱退しようとしましたが、会社を辞める必要があると組合評議員から告げられました。確かに規定書に書かれていたのですが、これは違法ではないでしょうか?
  2. 組合は会社に対して、ストの権利を持っています。しかしながら、我々は、組合に対してストの権利を持っていません。それもこれも、組合費が天引きになっているためですが、組合は個人と契約しているのであり、なぜ会社に支払いを請求しているのでしょうか? これは不当ではないでしょうか?

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インフレはほんとうに起こりますか?

ケビン67さん

日本が財政破綻することは、理解できますが、日本でインフレが起こることはイメージできません。
「日本でインフレが起こるのか?」という問いについての橘さんの意見を伺いたい。

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「日本国破綻でハイパーインフレになる」と警告するひとはたくさんいますが、ほんとうにそうなるかどうかはじつはよくわかりません。

ただ、次のことはいえます。 続きを読む →

「教育格差」を憂えるひとたちの奇妙な論理

  • 親の所得には格差がある(裕福な親と貧乏な親がいる)。
  • 裕福な親は、子どもを私立学校に入れたり、塾や予備校に通わせる(教育に投資できる)。
  • 有名大学を卒業した子どもは、学歴社会(知識社会)でさらに豊かになる。

このようにして経済格差が拡大再生産されていく、というのが、教育格差→経済格差の定番の論理だ(これを「因果関係1」としよう)。

ところで、(これまでなんどか書いたように)行動遺伝学の標準的な理論では、知能(IQ)の70%は遺伝によって説明できるとされている(安藤寿康『心はどのように遺伝するか』)。

もしこれが正しいとすれば、次のような因果関係が成立することはすぐにわかる(こちらは「因果関係2」だ)。 続きを読む →