ダイヤモンド社と共同で行なっていた「海外投資の歩き方」のサイトが終了し、過去記事が読めなくなったので、閲覧数の多いものや、時世に適ったものを随時、このブログで再掲載していくことにします。
今回は2019年2月22日公開の「トロール(荒らし)や実況ポルノ、拒食症のピアサポートなど、「自由」という糸でつながるネットの「闇(ダーク)」サイトの住人たち」です(一部改変)。
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イギリスのジャーナリストで、シンクタンク「デモス(Demos)」のソーシャルメディア分析センター・ディレクターでもあるジェイミー・バートレットは、2007年から過激な社会的・政治的運動の研究を始め、ヨーロッパおよび北米地域のイスラム過激派の動きを追跡し、アルカイダのイデオロギーに共鳴した若者たちのネットワークを解明しようとした。だが2010年にこの研究を終えたとき、「世界は変わってしまったようだった」とバートレットはいう。陰謀論者、極右活動家からドラッグカルチャーまで、彼が遭遇したあらゆる新しい社会現象・政治現象がオンラインに移っていたからだ。
こうしてバートレットは、ネットの「裏世界」に足を踏み入れることになる。そこで彼が発見したのは、「異なるルール、異なる行動様式、異なる登場人物のいる、パラレルワールド」だった。
今回は、バートレットの『闇(ダーク)ネットの住人たち デジタル裏社会の内幕』(星水裕 訳/CCCメディアハウス)に拠りながら、英語圏のネット世界の現状を見てみよう。そこから、インターネット黎明期にひとびとを魅了した「自由」がどのように変形したかが見えてくるはずだ。 続きを読む →