ひとはどこまで愚かで残酷になれるのか? ポルポト残照(2)
ドイツ系ユダヤ人の政治思想家ハンナ・アーレントは、ナチス親衛隊幹部で、強制収容所による「ユダヤ人問題の最終解決」を指揮したアドルフ・アイヒマンの裁判を傍聴し、「悪の陳腐さ」という有名な言葉を残した。だが同じような陳腐さは…
続きを読む →リバタリアニズムLibertarianismは自由Libertyを語源としていることからもわかるように、自由主義のことですが、リベラリズムLiberalismとは「自由」についての考え方が異なります。よく「市場原理主義」と混同されますが、これは誤解で、「自由原理主義」あるいは「もうひとつの自由主義」の訳が適切です。
リバタリアンは、国家は個人(国民)の自由を制限しており、自由を最大化するためには国家の機能を市場に代替させるべきだ、と主張します。国家を縮小し、最後には国家のない世界を夢想するという意味では無政府主義(アナキズム)の一種でもあります。
それに対してリベラリズムは、国民の幸福を最大化するために国家の介入——累進課税と福祉(公共事業)——を積極的に認めますから、これは国家主義Statismの一種ということになります。
ここでは、日本の社会問題をリバタリアニズムの視点から読み解いていきます。
ドイツ系ユダヤ人の政治思想家ハンナ・アーレントは、ナチス親衛隊幹部で、強制収容所による「ユダヤ人問題の最終解決」を指揮したアドルフ・アイヒマンの裁判を傍聴し、「悪の陳腐さ」という有名な言葉を残した。だが同じような陳腐さは…
続きを読む →いまは海外にいて更新できないので、むかし書いて使っていなかったポルポトについての原稿を2回に分けてアップします(日本の現状の比喩というわけではありません)。 * * …
続きを読む →日本国の第95代首相に民主党の野田佳彦代表が指名された。これから新内閣には多くの要望が寄せられるだろうが、私もささやかな希望を述べておきたい。 私が望むのは、日本社会の桎梏となっている差別的な制度を取り除き、「差別のない…
続きを読む →「官僚内閣制」「省庁代表制」「政府・与党二元体制」という日本的な統治構造では、仕切られた省庁の枠組のなかで、ボトムアップの合意形成によって政策がつくられていく。この仕組みは戦後の復興期、社会の各層に的確な政策が必要とされ…
続きを読む →いまやなつかしい鳩山政権のマニュフェストを読み返すと、その冒頭に「5原則5策」の政権構想が掲げられている。「内閣官僚制」「省庁代表制」「政府・与党二元体制」という日本の統治構造の変革を民主党が目指していたことがよくわかる…
続きを読む →菅首相が退陣を決意し、1週間後にはこの国に新しい首相が誕生する。これを機に、「民主党政権とはなんだったのか」を考えてみたい。 といっても、私は政治学の専門家ではないから、ここでは政治学者・飯尾潤の『日本の統治構造』を導き…
続きを読む →原子力損害賠償支援機構法が国会で成立した。 この法案では、新たに設立される「機構」は東京電力に対し無制限に資金提供できるのだから、東京電力が債務超過に陥ることはなく、電力債や融資などの債権は100%保護されることになる。…
続きを読む →ずいぶん昔のことだけれど、保護者面談で夜の小学校を訪ねたことがある。私のところは共働きなので、その日の最後に回してもらったのだ。 担任はベテランの女性教師で、いつものように、子どもの授業態度についてあれこれ注意された。ぺ…
続きを読む →主婦年金の救済問題について、忘れないうちに書いておきたい。 現在の年金制度では、サラリーマン家庭の主婦は第3号被保険者として、保険料を負担することなく老齢年金を受給できる。夫が自営業になった場合はこの制度は適用されないか…
続きを読む →東京電力の損害賠償問題が混迷の度合いを増している。これは当たり前で、そもそも政府の支援スキームが電力料金の値上げを前提としているにもかかわらず、安易な料金引き上げを政治的に不可能にしてしまったからだ。 こうした混乱を招い…
続きを読む →東京電力の損害賠償をめぐる政府支援の枠組が決まった。私は日本国の一介の納税者として、また東京電力の一利用者として、この決定にささやかな疑問を持っている。 政府の決定では、東京電力の賠償額に上限は設けないのものの、株式の上…
続きを読む →福島第一原発事故にともなう東京電力の損害賠償について、理解しがたい主張が横行しているので、それについて私見を述べておきたい。 議論の前提として、東京電力は福島第一原発の安全管理に責任を負っているのだから、今回の事故が引き…
続きを読む →3月29日にインタビューを受けた『週刊SPA!』の「日はまた昇る![日本V字復興計画]16」所収の記事を、出版社の許可を得て掲載します。震災後にこんなことを考えていた、というようにお読みいただければ幸いです。 * …
続きを読む →民主党政権がますます迷走している。個々の政治家の資質にはいろいろ言いたいことがあるだろうし、実際にいろいろ言われているので、ここではもうすこし構造的な問題を考えてみたい。 日本の政治でみっともないことがつづいているのは、…
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