第76回 教育無償化、お金の配り方に注意(橘玲の世界は損得勘定)
「教育を無償化すればみんなが幸福になる」という通説の背後には、「教育は無条件によきもの」という信念がある。私はこれを疑わしいと思っているが、それは本題ではない。 自由経済で格差が生じるのは当然と考えるひとも、「貧しさのた…
続きを読む →「教育を無償化すればみんなが幸福になる」という通説の背後には、「教育は無条件によきもの」という信念がある。私はこれを疑わしいと思っているが、それは本題ではない。 自由経済で格差が生じるのは当然と考えるひとも、「貧しさのた…
続きを読む →シェアハウスへの投資でトラブルが起きている。「30年家賃保証」「高利回り」「頭金ゼロ」などとうたう不動産業者から勧誘され、銀行から多額の融資を受けて物件を購入したところ、賃料の支払いが途絶えて借金だけが残った。被害者の多…
続きを読む →政府は、公的年金を受け取る年齢を70歳超まで先送りできる制度の検討を始めたという。現在は原則65歳が受給開始で、前後5年間の調整が認められている。これが年金受給の繰上げと繰下げだが、知りたいのは「どっちが得か?」だろう。…
続きを読む →安倍政権の進める働き方改革では、残業時間を減らして生産性を高めることが強調されている。しかしその前に、「なぜ日本の(男女の)サラリーマンは残業時間が長いのに、先進国でいちばん生産性が低いのか」をちゃんと考える必要がある。…
続きを読む →鳴り物入りで報道が始まったパラダイス文書だが、エリザベス女王やロス米商務長官の名前が出たもののその後は失速気味だ。 日本では鳩山元総理や有名マンガ家の関与が報じられたが、記事を読むと、名誉会長に就任した香港の上場企業がた…
続きを読む →日本企業の労働分配率が43.5%に低下し、1971年以来46年ぶりの低水準になったという。その一方で内部留保は増えつづけ、2016年末で375兆円と過去最高を更新した。これを見て、「企業は内部留保を取り崩して賃上げすべき…
続きを読む →意見のちがうひと同士が折り合うのはむずかしい。「エスカレーターにどう乗るのが正しいか」という、ささいなことでもこれは同じだ。 かつては、エスカレーターは立って乗るもので、急ぐひとは階段を使うのがふつうだった。それが変わっ…
続きを読む →*この記事は「日経ヴェリタス」7月23日号に掲載されました。7月27日に連合は高度プロフェッショナル制度への「条件付容認」を撤回しましたが論旨に変更はありません。 「残業代ゼロ法案」のレッテルを貼られてバッシングされてき…
続きを読む →アメリカは「超格差社会」だといわている。それがどのような社会なのか、具体的なデータで見てみよう(1ドル=110円で換算/端数は四捨五入)。 まずは所得の比較。アメリカの世帯数は1億6500万で、下位90%の1億5000万…
続きを読む →日本の税制は属地主義なので、日本国外に暮らすひと(非居住者)が海外で保有する財産を贈与・相続しても原則として課税されない。課税権が居住国にあるのだから当然ともいえるが、贈与税や相続税のない国が存在するとやっかいな問題を引…
続きを読む →安倍政権と経団連の肝煎りでプレミアムフライデーが始まった。給料日後の月末の金曜日には午後3時で仕事を終え、夕方を家族や恋人、友人たちとの消費(食事や買い物)に充てるのだという。評判の悪い長時間労働を是正し「働き方改革」を…
続きを読む →月刊『文藝春秋』2016年12月号に掲載された「私は安楽死で逝きたい」で、脚本家の橋田寿賀子さんは、認知症の兆しがあればスイスで最期を迎えたいと語る。欧米ではオランダ、ベルギー、ルクセンブルクなどで安楽死が合法化されてい…
続きを読む →来年度予算案の編成が混沌としている。子育てや教育、雇用などで求められている政策は多いが、消費税増税の再延期で財源がなくなり、さらには税収が予想より落ち込んで、逆に予算の減額が必要になったからだ。 年金制度改革では、物価が…
続きを読む →地球温暖化の影響からか世界的に台風が大型化し、今年は日本各地で大きな被害が出た。それに加えて熊本を中心に大地震が起き、いまも避難生活を余儀なくされているひとたちがいる。 東日本大震災で明らかになったように、被災者の生活再…
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