『テクノ・リバタリアン 世界を変える唯一の思想』発売のお知らせ

文春新書より『テクノ・リバタリアン 世界を変える唯一の思想』が発売されます。発売日は3月19日(火)ですが、本日が搬入なので、都内の大手書店ではこの週末に並んでいるところもあるかもしれません。 Amazonでも予約できます(電子書籍Audibleも同日発売です)。

書店で見かけたら、ぜひ手に取ってみてください。

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そこは楽園か、ディストピアか?
シリコンバレーの天才たちが希求する「数学的に正しい統治」とは?

アメリカのIT企業家の資産総額は上位10数名だけで1兆ドルを超え、日本のGDPの25%にも達する。いまや国家に匹敵する莫大な富と強力なテクノロジーを独占する彼らは、「究極の自由」が約束された社会――既存の国家も民主主義も超越した、数学的に正しい統治――の実現を待ち望んでいる。
いわば「ハイテク自由至上主義」と呼べる哲学を信奉する彼らによって、今後の世界がどう変わりうるのか?

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私はずっと、日本ではリバタリアニズムが不当に無視されていることを不思議に思っていました。いまやリバタリアニズムは、指数関数的(エクスポネンシャル)に高度化する強大なテクノロジーのちからを背景に、テクノ・リバタリアニズムとなって現実に世界を変えつつあるからです。

本書ではイーロン・マスクピーター・ティールの第一世代と、サム・アルトマン(オープンAI)とヴィタリック・ブテリン(イーサリアム)の第二世代を中心に、世界を数学的に最適化しようとする彼らの思想を論じています。

クリプト(暗号)アナキズムの「(西部開拓時代のような)究極の自由」と、総督府功利主義による「管理された(監視社会の)自由」は対立しあうのではなく、一卵性双生児のような関係になっています。「自由」と「監視」はコインの裏表なのです。

ーーというようなことを書きました。ご一読いただければ幸いです。

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『テクノ・リバタリアン 世界を変える唯一の思想』【目次】

はじめに  世界を数学的に把握する者たち
PART0        4つの政治思想を30分で理解する
PART1   マスクとティール
PART2   クリプト・アナキズム
PART3   総督府功利主義
PARTX   世界の根本法則と人類の未来
あとがき  「自由」を恐れ、「合理性」を憎む日本人