昨日(7月12日)より、Yahoo!の新しいコンテンツとして、Yahoo!ニュースBUSINESSが始まりました(プレスリリースはこちら)。いちばんの特徴は、ニュース配信を大手メディアだけでなく個人にも開放したことです。
Yahoo!から専用IDをもらえば、記事入稿ツールを使って、いつでも好きなときに自由にニュースを配信できます。それがロイターや時事通信、ダイヤモンド・オンラインや東洋経済オンライン、Financial TimesやThe Economistと並んでYahoo!ニュースにアップされるのですから、考えてみればスゴいことです。大新聞の「安物の正義」に憤った山本夏彦翁は、自ら「豆朝日新聞」をつくって駅頭で配りましたが、それと同じことがクリックひとつでできてしまうのです。
とはいえ、Yahoo!にニュース配信することは、新聞や通信社と同じ責任を負うということでもあります。Yahoo!は自らをたんなる導管と規定しているので、個人が配信した記事も、いっさいのチェックなしに即座にサイトにアップされます。
新聞社や出版社は原稿の掲載にあたって書き直しを求めたり、あるいは掲載そのものを拒否する権利を保持しており、それが同時に、記事から生じたトラブルに執筆者と共同で責任を取る根拠にもなっています。Yahoo!はこうした権利を保有していないので、法律上の責任がどのように判断されるかはいまだ未知数です(新聞社から配信を受けた写真を理由に賠償を命じられたこの裁判があるだけです)。
このような理由から、当面は集英社から許諾を得た『週刊プレイボーイ』の連載を中心に、単行本の一部抜粋や、過去のエントリーのなからアクセスの多かったものなどを適宜配信していこうと思います。
ニュース配信する個人はこれからどんどん増えていくそうなので、いずれこの新しいツールを活かす思いもよらないイノベーションが生まれてくるかもしれません。「個人のメディア化」の究極の姿ともいえる興味深い試みなので、将来的にはいろいろなことを試してみたいと思います。
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