『お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方2015』の冒頭をアップします

出版社の許可を得て、最新刊『お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方2015』から「はじめに」を掲載します。

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本書は、2002年12月に発売された『お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方』(以下『黄金の羽根』)の改訂版です。

『黄金の羽根』は30万部を超えるベストセラーになり、その後、何度も改訂版の話が出たのですがそのまま月日が過ぎてしまいました。もちろん私の怠慢のせいですが、それ以外にも理由はあります。

原著は大きく3つのパートに分かれていました。

ひとつは「資産運用論」で、私たちの人生の経済的な土台(インフラ)となる金融資産や不動産、生命保険について語っています。

ふたつめは「マイクロ法人論」で、家計を効率化するために「個人」と「法人」というふたつの人格を使い分ける技術を提唱しています。

3つめは「PT論」で「永遠の旅行者Perperual Traveler」と呼ばれる「オルタナティヴな(もうひとつの)生き方」を紹介しました。

これらはいずれも私の人生設計論の中核をなす考え方で、『黄金の羽根』は間違いなく初期の著作でもっとも重要なものですが、そのことが逆に改定を難しくしてきました。その後、それぞれのパートからスピンオフするかたちでさまざまな著作を刊行してきたからです。

資産運用・人生設計については『臆病者のための株入門』『臆病者のための億万長者入門』(ともに文春新書)、『日本人というリスク』(講談社+α文庫)、マイクロ法人(法人化した自営業者)については『貧乏はお金持ち』(講談社+α文庫)、海外投資やPTについては『黄金の扉を開ける賢者の海外投資術』(講談社+α文庫)、『マネーロンダリング入門』(幻冬舎新書)などで扱っています。これら一連の著作が、結果として『黄金の羽根』のアップデート版になってきたのです。

しかしその一方で『黄金の羽根』がこうした作品の原点となっていることも確かで、それを改訂版のかたちで読者に届けたいという希望は常に持っていました。

『黄金の羽根』がベストセラーになった理由のひとつは、ロバート・キヨサキの『金持ち父さん、貧乏父さん』(筑摩書房2000年11月)という先行するミリオンセラーがあったからです。キヨサキの本については本文中でも触れていますが、法人を使ったキャッシュフローの最適化など、そこで述べられている原理や原則は本書とほぼ同じです。ただ法人化にしても、節税術にしても、キヨサキは当然、アメリカの法制度を前提としています。それをそのまま日本に当てはめても上手くいかないのではないか、というのが私の疑問でした。

奇しくも、『金持ち父さん、貧乏父さん』も初版から13年たって「改訂版」(筑摩書房2013年11月)が出版されました。21世紀に入ってさまざまな出来事があり、日本人の投資環境や資産運用に対する考え方も大きく変わりました。それを考えると、そろそろ過去を振り返ってみる時期に来ているのかもしれません。